髪は女性にとって、美しさや若々しさを象徴する大切な存在です。それゆえに抜け毛やボリュームの減少を感じたとき、強い不安や焦りを覚える方も多いのではないでしょうか。
近年では、ストレスや生活習慣の変化により、年齢に関わらず薄毛に悩む女性が増えてきています。
今回は薄毛の初期サインや原因、主な種類、治療の進め方、さらに治療にかかる期間についてわかりやすく解説します。
薄毛はある日突然起こるものではなく、ゆっくりと進行していきます。だからこそ、初期段階の小さなサインに気づけるかどうかが、その後の改善に大きく関わってきます。
まず「抜け毛の量が増える」と感じることが多いですが、特に注意したいのは、抜け落ちる毛が細くて短い場合です。これは、髪の成長が十分でないまま抜けている証拠です。また、分け目が目立つようになったり、髪にハリやコシがなくなってきたりするのも、薄毛が進行しているサインの一つです。
また、頭皮が赤くなる、フケが増える、ベタつきが気になる、触ると硬いといった変化も見逃してはいけません。こうした頭皮環境の悪化も、髪にとっては大きな負担となり、薄毛の原因となります。
女性の薄毛にはいくつかのタイプがありますが、最も多いのは「びまん性脱毛症」と呼ばれるもので、つむじを中心に髪全体のボリュームが徐々に減っていくのが特徴です。
出産後2〜3か月の時期に抜け毛が急増する「分娩後脱毛症」や、ポニーテールなど髪を引っ張るような髪型が原因で起こる「牽引性脱毛症」などもあります。
そのほかにも、皮脂の分泌が多く頭皮が炎症を起こす「脂漏性脱毛症」や、大量の乾燥フケが毛穴をふさいでしまう「粃糠性脱毛症」など、頭皮の状態が大きく関わるタイプの脱毛症も存在します。
女性の薄毛にはさまざまな原因がありますが、最も大きな要因としては、加齢に伴う女性ホルモンの減少が挙げられます。特にエストロゲンが減ることで、相対的に男性ホルモンの影響が強まり、抜け毛が増えるという仕組みです。
とはいえ、薄毛は40代・50代だけの問題ではありません。若い世代でも、過度なダイエットや偏った食生活、強いストレス、そして出産などがきっかけで薄毛になるケースがあります。
栄養の不足は鉄欠乏性貧血や亜鉛不足を引き起こし、全身の不調だけでなく、頭皮や髪の健康にも悪影響を及ぼします。また、SLE(全身性エリテマトーデス)や甲状腺の異常など、内科的な病気が背景にある場合もあるため、他の体調変化にも注意が必要です。
結論から言えば、女性の薄毛は治療で改善が可能です。以前はウィッグに頼らざるを得なかった時代もありましたが、現在では薄毛の原因に合わせて根本的なアプローチをすることで、自分の髪を取り戻すことができます。
治療の第一歩は、原因を正しく見極めること。
たとえば、加齢やホルモンバランスの変化によって起きる「びまん性脱毛症」の場合は、食生活の見直しやストレスの軽減といった基本的な生活改善に加え、内服薬や外用薬での治療が行われます。
髪型などの物理的刺激が原因の「牽引性脱毛症」であれば、髪型を変えるなどの対策を行うことで進行を止めることができます。
ただし、髪の毛は1日に約0.4mmしか伸びず、毛周期も3〜6年と非常に長いため、治療の効果が見えるまでにはある程度の時間が必要です。早い方で2〜4か月、しっかりと回復したと感じるまでには半年から1年程度かかることが多いので、薄毛治療は長期的な目標を持って計画的に進めることが大切となります。
まず治療の成果が現れはじめると、最初に薄くなっていた部分に細く柔らかい産毛が生えてくるようになります。これが薄毛改善の最初のサインです。
次第に、その産毛の本数が増え、やがて太くしっかりとした毛に育っていきます。成長した髪が少し引っ張っても抜けにくくなり、手触りや見た目にも「戻ってきた」と実感できるようになれば、治療は順調に進んでいると考えてよいでしょう。
この時期には、髪の成長をサポートする栄養素(タンパク質・鉄分・亜鉛・ビタミンなど)を積極的に取り入れ、頭皮環境を整えていくことが大切です。
女性にとって、髪の悩みは非常にデリケートな問題です。しかし、薄毛は決して珍しい悩みではなく、原因を正しく知り、早期に適切な治療を行うことで改善が期待できる時代です。
薄毛の前兆に気づいたら、早めに医師に相談することをおすすめします。自分に合った治療法を見つけ、丁寧にケアを続けていけば、きっと健康な髪を取り戻せるはずです。
当院では女性特有の薄毛に関するトータルケアを専門医がサポートしております。
薄毛専門のカウンセラーがお一人おひとりのお悩みに真剣に向き合い、親身な治療でお応えします。
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この記事の監修:横浜中央クリニック